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環境とフルハイビジョンを両立する中型フルHDテレビ

薄型テレビと言うと、37V〜50V型の大型テレビが売れ筋となっています。

でも、本当にそんな大きな画面が必要なのでしょうか?

大型テレビの光る画面に圧迫感を覚えて、ためらいを感じている人も多いと思います。またニュースやバラエティ番組など動きの早い画像を見るには、大き過ぎる画面は反って見辛いこともあります。ここでは、薄型テレビ販売のからくりと本当に省エネな製品選びについて考えたいと思います。

推奨サイズのからくり

メーカーのカタログには「25型や28ワイド型ブラウン管テレビを買い替えるなら、37V型が最適」と謳っています。しかし、ブラウン管テレビの○○型表示はブラウン管の外形サイズを示しており、実際ブラウン管に映し出される画像サイズは、サイズ表示のインチ数より一回り小さいものを見ていたことになります。これに対し、薄型テレビの○○V型では実画像サイズを計ったインチ数を示しています。

画面サイズ比較

それではブラウン管の実画面サイズで比較すると、どうなるでしょう。例えば25型や28ワイド型と同等なのは、画面の高さや画面面積が近い26V型の薄型テレビとなります。ところが、カタログでは都合の良い画面高さの寸法だけを取り上げて、利幅の多い大きめサイズへと消費者を誘導しています。

さらに、液晶テレビやプラズマテレビの利点は、なんと言っても画面がちらつかず、ブラウン管テレビより近くで見ることができることです。同等サイズの薄型テレビを買っても、近くで見られる分、実質的な視聴画像サイズは大きくなります。逆に大型テレビを買っても離れて見ていたのでは、実質的な視聴画像サイズはより小さいテレビと同じで、電気を無駄遣いしているだけとも言えます。
また、駅等の大画面ディスプレイの前で待ち合わせしたことのある人ならその圧迫感を感じたことがあると思いますが、大きな面積の壁が一面に点滅したり、大きな面積の画像が動くことは、精神衛生面や視力に与える影響も気になります。特に背の小さな子供は大人の何倍もの圧迫感を感じていることでしょう。

サイズを上げたくなるからくり

薄型テレビを買い替える場合、よく「+1サイズ大きいものを買うと後悔しない」と言われています。それは買った時は大きく感じる画面サイズでも、すぐに慣れて物足りなく感じるためです。

しかし、本当にそうでしょうか?

人が認識しやすい画像は縦:横=4:3(従来のテレビ画像)と言われています。これに対し、ワイド画像では意図的に横を伸ばしてあります。それは、画像を視野より幅広くして画像の端を認識させないことで、画像の中に入り込んだような臨場感や迫力を感じさせるためです。

ところが、長年4:3の画像を見慣れている一般的な視聴者は、無意識に画像全体を認識しようとする習慣が身に付いています。いくら大画面テレビを買っても、ワイド画像全体を引いて見てしまっては迫力を感じず、画面サイズに慣れてくると、ただ縦の狭い画像という印象になって物足りなく感じます。ですから、42V型や50V型を買ってもこの習慣を止めなければ、じきに物足りないと感じるでしょう。
個人的な経験値であり、視聴環境にもよりますが、この習慣は画面サイズが概ね60インチ以上になると視線移動しきれなくなり、画像に見入るようになるように思います。

 ●大画面の迫力を楽しみたいなら

ひとつ簡単な方法があります。画面サイズは薄型テレビなら26V型や32V型でもかまいません。いままでより画面に半歩(50cm前後)近づいて見てみてください。画面の端を見るには視線移動が大きくなり、いつのまにか画面に入り込んだ迫力を感じるようになると思います。近づいてもチラつかないのが薄型テレビの良いところです。
もっと距離を置いてゆったり大画面を楽しみたいなら、半端に大きい薄型テレビを買うより、プロジェクターの60〜100インチ画面をお勧めします。もし50V型以上の薄型テレビを買う予算を考えているなら、中型の薄型テレビ+80インチプロジェクターというのも検討してみてはいかがでしょう。

省エネ表示のからくり

液晶テレビといえば省エネのイメージがあります。実際の消費電力を見ると、例えば25型ブラウン管テレビが120W前後なのに対して、26V型液晶テレビなら95W前後と確かに省エネになります。しかし、メーカー推奨の37V型液晶テレビでは220W前後と約1.5倍に増えてしまいます。店頭の省エネ達成率表示も同サイズとの比較であり、小さいサイズと比較する場合は製品の消費電力や年間消費電力量を比較することが必要です。
メーカーや販売店は省エネ推進を謳っていながら、大画面を勧めることで結果として年々電力消費料を増やしているのが実情です。また大画面化=重量増大であり、単に電力消費の問題だけでなく、材料/製造/運搬/使用/廃棄の各過程で環境負荷を増大させることになります。
温暖化が深刻な問題になっている昨今、快適さだけを求めてどんどん電力消費量を増やしていてよいのでしょうか?

本当の省エネとは

それでも大型テレビを推奨する裏には、利益の多い大型テレビを売りたいメーカーと販売店の利害関係が見え隠れしています。「最適」サイズとはメーカー本位、販売店本位の「売りたい」「もうかる」サイズとも言い換えられます。消費者は謳い文句に踊らされず、「自分の部屋の広さ+家具配置」で取れる距離をあらかじめ調べておき、本当に実用的なサイズを賢く選ぶことが必要です。そして、もし十分広い部屋に置くのでないのなら、むやみに大きい画面にしないことが一番の省エネであり、環境にやさしい生活と言えます。

手軽に楽しみたいフルハイビジョン放送

AQUOS LC-26P1
液晶テレビ FORIS.HD DT27ZD1-BL
REGZA 32C3800
VIERA TH-32LZ85

しかしながら、省エネは大切だけれど地上波デジタルやBSデジタルのフルハイビジョンも楽しみたい、というのが人情です。でも、ほとんどのメーカーは32V型以下のフルハイビジョンテレビを発売しておらず、これまで中型テレビでは高精細なハイビジョン放送の恩恵を十分受けることができませんでした。
しかし、最近SHARP、EIZO、TOSHIBA、Panasonicから32V型以下のフルハイビジョン液晶テレビが発売されました。SHARPのAQUOS Pシリーズでは32V/26V/22V型、EIZOのFORIS.HDシリーズでは27V/24V型、TOSHIBAとPanasonicは32型のフルハイビジョン製品がラインナップされています。SHARPとEIZOの製品はパソコンモニターとの兼用を重視にした液晶テレビです。TOSHIBAとPanasonicは、テレビ視聴向けシリーズの製品になっています。各製品の性格はだいぶ違っています。その主な特徴を解説しましょう。

画質の比較

AQUOS Pシリーズの32V/26V型では、画質性能に定評のあるフルハイビジョンブラックASV液晶パネルを採用しています。大型テレビより画素間隔が緻密で近くで見ても高精細な画像が得られます。しかし良いパネルを活かすのも画質制御回路次第というのが薄型テレビの掟。カタログには液晶パネル以外の高画質化機能に関する記述が無く、実際の画像も人肌アップ時の階調がつぶれぎみだったりと、テレビ用画質については気になる点もあります。
FORIS.HDシリーズでは、EIZO製品の特徴である正確な階調再現力や高画質化技術、テレビ画像の最適化技術がふんだんに盛り込まれています。雪景色の中の霧や夕焼け空、人肌のアップなど微妙な階調の画像も正確に表現されています。色表現は一見地味な印象ですが、家庭の視聴環境に最適化された自然な色表現で、目にやさしく長い間つき合える絵作りとなっています。
TOSHIBAのREGZA 32C3800は、定評のある「新メタブレイン・プロ」が搭載されており、REGZAシリーズの高画質を画素間隔の緻密なパネルで視聴できます。これで、倍速表示などTOSHIBA最新の技術が搭載された製品もあればいいのですが、残念なところです。
Panasonicは、IPSαパネルに最新のフルハイビジョンPEAKSを組み合わせたTH-32LZ80と、さらに倍速表示に対応したTH-32LZ85がラインナップされています。TH-32LZ85では、大型の上級機と同等の機能が盛り込まれており、Panasonicの技術を結集した中型機と言えます。

画像応答性の比較

PanasonicのTH-32LZ85には、60コマ/秒の画像を120コマ処理して画像の応答性を改善する倍速フルハイビジョン技術が搭載されています。その他の機種は、倍速表示非対応となっています。ただし、FORIS.HDシリーズには、ナチュラルオーバードライブ技術が採用されており、1コマ毎の画像応答性が改善されています。

AQUOS Pシリーズカタログには「動きの速いシーンにおいて、反応が遅延する場合があります」との注意書きがあるので、ゲームやスポーツ観戦の多い場合は注意した方がよいでしょう。

パソコン接続対応の比較

各製品とも、パソコン接続端子を装備しています。SHARPとEIZO製品については、ピクチャーインピクチャ機能を備えるなど、パソコンモニターとテレビを共用する機能やパソコンモニターとしての画質が充実しています。AQUOS Pシリーズは、デジタルとアナログの2系統のパソコン入力端子を備えていたり、キーボードを画面下に格納できたりと、よりパソコン接続を重視した製品となっています。FORIS.HDシリーズでは、デジタルのパソコン入力端子のみですが、同社の製品はパソコン用モニターとして高い評価を受けており、パソコン用モニターとしても本格的に使用できます。

デザインの比較

AQUOS Pシリーズは、書斎のデスクトップが似合うパーソナル感や機能重視のデザイン、FORIS.HDシリーズは書斎だけでなくリビングに置いても似合う上質感のあるデザインとなっています。TOSHIBAとPanasonicは、他のシリーズに準じてリビング向けのデザインとなっています。デザインについては自分の好みや使用目的を優先する方が長くつき合えるものが選べるでしょう。

アフターケアの比較

AQUOS Pシリーズ、TOSHIBA、Panasonicは、通常の液晶テレビ同様、電気店、家電量販店などで購入することができます。製品保証も通常の製品同様1年間のメーカー保証が付きます。
FORIS.HDシリーズは、ネット直販方式または、直営店および特約店での店頭販売の形式を取っています。取り扱い店が少ないためネット直販方式が主となりますが、3年間のメーカー保証や出張修理、修理中の代品提供など、アフターケアは他社よりも充実しています。

中型フルハイビジョンテレビを選ぶなら

主にリビングやダイニングで中型液晶テレビとして使うなら、画質面でEIZO、TOSHIBA、Panasonicがおすすめです。液晶テレビとしての高画質化技術がふんだんに盛り込まれています。EIZOのFORIS.HDシリーズは、上質なデザインやナチュラルな画像、アフターケアの充実が魅力です。機能面で妥協したくなければ、PanasonicのTH-32LZ85がお勧めです。大型テレビと同等の機能が盛り込まれていいます。そこまで必要なければ、TOSHIBAの32C3800またはPanasonicのTH-32LZ80の方がリーズナブルです。一般的なユーザーにも広く受け入れやすい高画質や、電子番組表/メニュー操作の使い勝手、リンク機能などが魅力です。

主に自室でパソコンモニターとして使うなら、SHARPかEIZO製品がお勧めです。両製品共に十分な機能を備えていますが、パソコン入力端子の充実したAQUOS Pシリーズの26/22V型が有利でしょう。ただし、主にゲーム機のモニターとして使うなら、画像応答性の良いFORIS.HDシリーズの方が有利となります。

価格比較

液晶テレビ FORIS.HD DT27ZD1-BL

EIZOのFORIS.HDシリーズは、ネット直販方式となっており、EIZOの直販サイト「EIZOダイレクト」から購入できます。ほとんど定価販売となりますが、最近値下げが実施されました。製品の内容やアフターケアを考えると相応の価格が設定されています。また、再整備品やキャンペーンなどで割安に入手できることがあります。

AQUOS LC-26P1

SHARPのAQUOS Pシリーズは、メーカー直販サイト「シャープ いい暮らしストア」や家電量販店、ネットモールなど、通常の薄型テレビと同様、価格や送料、支払方法などを比較して購入することができます。実売価格は、発売当初よりこなれた価格になっています。


REGZA 32C3800

TOSHIBAの32C3800は、メーカー直販サイト「Shop1048」や家電量販店、ネットモールなどで、価格や送料、支払方法などを比較して購入することができます。実売価格は、人気のあるREGZAシリーズ最小のフルHDテレビで高値が続いていますが、卸直販店では割安に入手できます。


VIERA TH-32LZ85

PanasonicのTH-32LZ85/TH-32LZ80は、メーカー直販サイト「パナセンス」や家電量販店、ネットモールなどで、価格や送料、支払方法などを比較して購入することができます。TH-32LZ85は、クラス唯一の倍速表示対応フルHDテレビで高値が続いています。が、卸直販店では割安に入手できます。TH-32LZ80は、比較的安い価格で購入できそうです。

VIERA TH-32LZ80


その他、お買い得情報やネットショップ情報はこちらをご覧ください。


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