プロジェクターとは、日本語で「映写機」のこと。映画館のように画像をスクリーンに投射する装置です。
プロジェクターのしくみは、映写機と同じで、強い「光源」とフィルムに相当する「画像表示パネル(液晶パネルやDMDパネル)」、「レンズ」が入っていて、別に設置したスクリーンに画像を映し出します。ビデオ画像やパソコン画像などの多彩な入力端子を備えていますが、テレビチューナーは入っていないので、テレビを見るには別途TVチューナー(DVDレコーダーやビデオ内蔵チューナーでも可)を接続する必要があります。
初期のプロジェクター
は、画像が暗くて映画館のように室内を暗くしないと見えませんでしたが、最近のプロジェクターは画像が明るく、照明を点けた明るい部屋で気軽に見ることができる製品もあります。
画面のサイズ
プロジェクターの画像サイズは、レンズの焦点距離と、スクリーンまでの距離で決まります。スクリーンは大抵壁際など決まった場所に設置するので、画面サイズはプロジェクターの設置場所で調整することになります。
プロジェクターの設置
画像の四隅で距離が違うとスクリーン上の画像が歪でしまうため、プロジェクターの向きとスクリーンの面を直角に設置する必要があります。
おのずとプロジェクターを設置する場所が限られてしまうのが、プロジェクター設置の難しいところです。
しかし、ズーム機能やレンズシフト機能のある製品では、設置可能範囲が広くなります。先にスクリーンとプロジェクターの設置場所を決め、その距離と欲しい画面サイズを計っておけば、その条件で設置可能範囲な製品を選ぶことで、意外と簡単に設置の問題をクリアできます。
スクリーン
一方、プロジェクターの画像を映し出すスクリーンは、設置場所や画像サイズに応じて好きなものを選ぶことができます。スクリーンを使用せずに白い壁に映し出こともできますが、プロジェクターの画質をフルに楽しむにはプロジェクター用スクリーンの設置をおすすめします。
プロジェクター用スクリーンには、光を反射して画像を映す前面投射用の「反射型スクリーン」と背面側の光で画像を映す背面投射用の「透過型スクリーン」があります。
「反射型スクリーン」では、光の反射率を高める加工がしてあるので、プロジェクターの画像を効率よくきれいに映すことができます。反射型スクリーンには、さらに「マット」タイプと「ビーズ」タイプがあります。マットタイプは、万遍なく光を反射するので、視聴範囲が広いのが特徴です。ビーズタイプは表面に球状のガラス加工が施されているスクリーンです。マットタイプより約3倍の反射率があり、画像が明るく投射されます。外光(映像以外の照明や屋外光など)に影響されにくい反面、反射方向が限られるため視聴範囲が狭くなります。
「透過型スクリーン」では、スクリーンの透過光を見るため、画像が多少暗くなりますが、スクリーンの前側に何も装置がないので、自由な位置で視聴できます。しかし、「透過型スクリーン」の最大の利点は、プロジェクターを窓越しの別室に設置することで、プロジェクターの動作音を全く気にせずに画像を楽しめることです。まさに特上のホームシアターが実現できます。ただし、透過型スクリーンで見るには、画像の鏡像表示に対応しているプロジェクターが必要になります。
さて、市販のプロジェクターには、大きく分けて「データプロジェクター」と「ホームプロジェクター」の2つの種類があります。
「データプロジェクター」は、オフィスの会議室やプレゼンテーションのために、画面の明るさや画面サイズ、可搬性、操作性等の性能を重視して設計されています。一方、「ホームプロジェクター」は、一般家庭での映画鑑賞のために、色の表現力やコントラスト、投射距離、静音性等を重視して設計されています。
種類 |
特徴 |
ホームプロジェクター |
・色や階調の表現力
・コントラスト
・投射距離
・静音性 |
データプロジェクター |
・画面の明るさ
・画面サイズ
・可搬性
・操作性
|
たとえば、画像の明るさを重視してデータプロジェクターの高性能機を選んでも、実際家に設置すると、投射距離が足りなくて希望の画面サイズが得られなかったり、冷却ファンの音が大きくて映画の音が台無しということが起きます。そのため、うわべのスペックに気を捕われずに、目的に合った性能を持つ製品を選ぶことがプロジェクター選びの重要なポイントです。ホームシアターがメインの目的ならば、「ホームプロジェクター」、もしくはシネマモードや静音モード付きの「データプロジェクター」を選ぶ必要があります。