プロジェクションとは「投写」という意味で、映画館のように映写機でスクリーンに投写した映像を見る方式のテレビです。
映画館は白い反射スクリーンに前側から投写した映像を見ますが、プロジェクションテレビでは半透明のスクリーンに後ろ側から投写した画像を見ます。そのため、「リアプロジェクション(背面投写)テレビ」とも呼ばれます。
しくみはほぼ映画館と同じです。強い光源と、フィルムに相当する画像表示パネル(液晶パネルやDMDパネルなど)、スクリーンからできています。これら映画館のしくみをミラーとレンズを使ってコンパクトな箱に収めたのが、プロジェクションテレビです。
プロジェクションテレビは、箱のサイズ(投写距離)を変えることで、簡単に画面サイズを大きくすることができます。その分奥行きが必要で、プラズマテレビのように薄いわけではありません。
テレビの中身はほとんど空洞なためサイズのわりに軽く、光源がひとつなので画面を大きくしても消費電力が少ないのが特長です。
実はリアプロジェクションテレビ自体はもう20年以上前からある商品です。しかし、かつてのプロジェクションテレビは映写機部分にブラウン管と同じ電子ビームを使い、画像を大きく引き延ばして投写しており、画像が暗く、製品サイズも大きいものでした。そのため、部屋の照明が暗い欧米では普及しましたが、部屋の照明が明るい日本ではほとんど普及しませんでした。
最近のプロジェクションテレビは、電子ビームの代わりに液晶パネル等を使うことで、画像の明るさや画質が改善され、プラズマテレビや液晶テレビに引けを取らない家庭用テレビとして、再び注目されるようになりました。
プロジェクションテレビの構造は大変シンプルであり、基本構成要素である光源/画像表示パネル/スクリーンの違いが、そのまま性能の差になってきます。