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■これもまたテクニカルコミュニケーション-[あるオフィスでの会話]

このようなに、読む相手や指示する相手のことを考えて、表現方法を工夫するのが、「テクニカルコミュニケーション」なのです。

対象が人なのか、部署なのか。
一人なのか複数なのか、
不特定多数なのか。
仕事や用語に精通しているのか、素人なのか。
経緯を知っているのか、知らないのか。

不特定多数の人を対象にするのであれば、一番スキルの低い人でも理解できる表現にしなければなりません。例えば、公共施設の表示や家電製品の説明書など、対象読者が多いものは、誰でもわかり、誤解されないよう、多くの配慮が必要です。

ただし、優しすぎる表現は、回りくどくて読みにくいと思われることもあります。
特定の目的やスキルを持った人を対象にするのであれば、共通の経験や用語を使うことで、具体的な物だけでなく慣習的な背景や条件も伝えたことになり、その先の目的や意味をより深く伝えることができるでしょう。例えば、技術者・専門分野向けの文書や社内向けの文書、難易度の高い製品の説明書などは、優しく書くより、専門用語や慣習的な表現を最適に使う配慮が必要です。

特定の人を対象にするのでならば、その人のスキルを考え、最適ないいかたで表現することができるでしょう。その人が知りたいこと、伝えたいことを具体的に示したり、その人の持つ経験を引用して表現することで、より正確に深く伝えることができます。例えば、同僚や友人、家族、メーカーのサポート電話などでは、その人の場合だけを考えてなるべく具体的な表現をすることが必要です。

さて、ちょっと身近な人を想像して考えてみてください。
同じことを伝えるにも、相手によって言いかたが変わると思います。大事なのは書類を出すことではなく、相手に「伝わる」こと。相手のことをちょっと考えるだけで、同じ仕事が何倍もの効果を発揮することでしょう。

さあ、何か気付きになりましたか?