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基本性能のチェックポイント

各社からプロジェクションテレビが発売されており、カタログにはそれぞれの優れた点が謳われています。しかし、プラズマテレビや液晶テレビとの違いは都合の良いところだけしか書かれていません。ここでは、プロジェクションテレビの基本性能に関わるチェックポイントやプラズマテレビ/液晶テレビとの違いをまとめてみました。

光源

画像を投写するための光は、効率良く耐久性に優れたUHEランプ(超高圧水銀ランプ)が使われており、1つのランプで画像全体を照らします。ランプが明るい程画像も明るくなりますが、ランプは熱を発するためテレビのサイズや冷却能力とのバランスでランプの出力が決まってきます。

ランプは使用することで劣化します。だんだん暗くなっていくので、ユーザーにほとんど変化に気付かないかもしれません。何だか暗い気がすると思った頃にランプを交換すると、新品の明るさに戻ってその変化がわかるでしょう。製品にもよりますが、数千〜1万時間程度で交換が必要になるため、ユーザーが簡単に交換できる構造なっています。プラズマテレビや液晶テレビでも光源の劣化はありますが、ユーザーが交換するというのはプロジェクションテレビ特有の作業となります。(各メーカーのランプ交換時期は明るさが半減する目安時間であり、ランプが切れてしまうわけではありません。)

画像表示パネル

フィルムに相当する画像を作るための一番重要な部分です。開口率(パネル面積に対して光が通過できる面積の割合)が大きい程明るくなり、画素数が多い程きめ細かい画像になります。画像表示パネルの方式には、いくつか方式があり、どの方式を採用しているかで画質に違いが出ます。

●単板式液晶パネル

単板方式では1枚の液晶パネルにRGBの画素が並んでいて、透過光で作った画像をそのままスクリーンに投写します 。スクリーン上の画像は、プラズマテレビや液晶テレビと同様に、RGBの点が密集した画像になります。部品が少なく構造がシンプルなため安価にできますが、1枚あたりの画素が多くなるので画像が暗くなります。

●3板式透過液晶パネル(3LCD方式)

3板方式では、光源の光を特殊なミラー(ダイクロイックミラー)でRGBの3色に分け、それぞれの色専用液晶パネルで画像を作った後、再び特殊ミラーやプリズムで画像を重ね合わせてからスクリーンに投写します。色を分けることで画像表示パネル上での1画素あたり面積が大きくなるため画像が明るくなります。また、色を重ね合わせることでスクリーン上に色そのものが表示されるので、滑らかで目に優しい画像になります。

●3板式反射液晶パネル(D-ILA方式、SXRD方式)

透過式液晶パネルでは、液晶パネルに光を透過させて各画素の光量を制御することで画像を作ります。ところが、各画素には制御用素子が必要なため、開口率が小さくなり、結果として画像が暗くなってしまいます。
一方、反射式液晶パネル(D-ILA方式、SXRD方式)では、液晶パネルに光を反射させてその反射量を制御することで画像を作ります。各画素の制御用素子を液晶パネルの背面に置くことが出来るため、開口率が大きくなり、明るい画像が得られます。

●単板式反射DMDパネル(DLP方式)

DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)パネルでは、液晶を使わず、微細な鏡の角度をコントロールすることにより光を反射して画像を作ります。光の反射効率や耐久性に優れており、コンパクトなわりに明るい画像が表示できます。
ただし、カラーを表示するのにRGBの光を交互に照射して画像を作り、赤画像、青画像、緑画像を連続して表示することでフルカラーに見せています。明るく鮮明な画像になりますが、瞬間的な単色画像の連続なのであまり目にいいとは思われず、長時間画像を見続ける映画鑑賞等には向かないかもしれません。

これらの画像表示パネル技術は、プロジェクションテレビの一番のポイントとなる部分で、各社が最新の技術力を競い合っています。

スクリーン

実際に画像が映し出される部分です。プラズマテレビや液晶テレビのように画素が画面いっぱいに並んでいるものではなく、透過光を拡散するフィルム状の幕になっています。現状では、どのメーカーも同じようなものを使っていて、スクリーンによる画質の差はほとんどないようですが、まだ未改善部分とも言えるので、今後の進化を期待したいところです。

画面の見やすさ

プロジェクションテレビの明るさは、液晶テレビとプラズマテレビの中間位で特に明るいわけではないため、あまりスペックを明示しているメーカーはありません。また、プロジェクションテレビは、同じランプや画像表示パネルを使って画面サイズの違う製品を作っています。おのずと画面サイズが大きくなる程画像が暗くなります。
それより、プラズマテレビは光を直接見るのに対し、プロジェクションテレビはスクリーンに当たった間接光を見ることが特徴的な違いであり、プロジェクションテレビの方が、光の強さも質も目に優しいと言えます。
プロジェクションテレビの場合は、数値上の明るさを気にするよりも、外光(見る側からの光)の反射を抑える技術の方が重要なポイントになります。

コントラスト化

コントラスト性能は1000:1〜5000:1の製品が多く、ほぼプラズマテレビと同等です。また、コントラスト比6000:1を謳う製品も発売され、プロジェクションテレビの特徴である優しい間接光とも相まって映画や風景など繊細な画像を鑑賞するにはプラズマテレビより向いているかもしれません。

消費電力

プラズマテレビや液晶テレビは画面いっぱいに光源が並んでいるのに対し、プロジェクションテレビは1つのランプで小さい画像を作り、拡大して投写します。そのため、画面サイズを大きくしても消費電力はほとんど変わりません。特に50V型以上ではプラズマテレビや液晶テレビに比べて、格段にプロジェクションテレビの方が消費電力が少なく、大画面と省エネを両立する製品です。

その他各社独自の高画質回路や高音質化、便利機能があるので、各製品の特徴を見て自分の好みやニーズに合ったものを選ぶと良いでしょう。

 

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